「お前あれだろ?美鈴ちゃんの事すきなんやろ?(笑)」

「え、なんで!?は!?ん!?」

「分かりやすいな竜ちゃん(笑)」

この、さっきからうるさい奴は
聖塚秀俊(ひじりづかひでとし)
身長は170ちょい。
部活はアンサンブル部。
見た目はチャラい。
知能は低め。ほとんどチンパンジーと思ってもらって構わないです。
小学も中学も高校も同じで、正直、一番信頼してる友達かな。

「うるせえよ!高倉さんの事好きなんだよ!!」

「……あっそ(笑)なんか、また痛い目みそーだねー(笑)ま、おーえんしてるよん~。」

「お前、応援する気ねえだろ!」

「あら、バレた?(笑)」

……どうせ(..)
どうせ、高倉さんとは付き合えないし仲良くもなれない。
俺は普通すぎるから。
あーあ、少しは面白くなりたいな。
ひじりん(聖塚のことね)みたいに、目立てたらどれだけ良いか……

高倉さんは本当に良い子だ。
皆に優しいし、頭も良いし、見た目も良いし、話しやすいし、体もやらしいし(あれ、俺きもいな)、運動もできるし……
正直、完璧な女の子だ。
あんな子と仲良くなれたらな……



この時の俺は、これから美鈴とどれだけ楽しい思いをするか分からなかったし、想像もできなかった。
そして、美鈴がどれだけ色んな事を隠していたかも。
そして、美鈴とどれだけ辛い悲しい思いをするかなんて。

わかるはずがなかった。