ガタンゴトン… 揺れる電車が眠気を誘う。 私はあくびを噛み殺しながら、つり革を掴み直した。 私の毎朝の日課。 キミを探すこと。 (……見つけた!) 彼は意外にも目の前の座席にいた。 (近っ!) こんなに近くにいたなんて。 予想外すぎてビックリする。 (やっぱりかっこいいなぁ…) 彼は西高のブレザーを着ていた。 しばらく見つめていると、彼が降りる駅のアナウンスが鳴った。