「この季節はそろそろ銭函が賑わう頃ですよね?

もうすぐ海開きだし。

今はコンビニの件数も増えたから、だいぶ生活が楽になったでしょう?」




“銭函”、“コンビニ”・・・。


ここまで掠りそうなな単語を連発しておきながらも、やっぱり信明先輩は一向に思い出してくれない。




彼にとっては些細な出来事で、助けた女子高生の事など全く気にしていなかったのか・・・?




私にとってはこんなにも大切な出来事として心に刻まれていたのに、助けた方はきっとそうじゃなかった。


仕方のない事。


だけど、この温度差がとてつもなく苦しいんだ・・・。