【完結】ホイクメン!

「間違ってる・・・。」




「えっ・・・!?」




「ほら、ここ!」




彼が指差したのは私の名前。


そこにはちゃんと、私の名前である“奥山優香”と書かれているのに。




「どこが間違ってるの?」




間違ってなんかいないのに。


私が首を傾げると、信明は拗ねたように口を尖らせる。




「松本ゆーか!」




「は・・・?」




「これからは“松本優香”って書いて欲しい・・・。」




「・・・それって!?」




思い掛けない一言に、思わず筆が止まってしまう。




“松本”は信明の苗字。


私が“松本優香”になるって事は・・・。