「どいてどいてー!」




「キャーッ!!」




雪山の上から勢いよく下りてくるそり。


体の大きい彼は勢いよく向かいの雪山に突っ込み、同乗していた桃ちゃんは大爆笑のまま信明に抱き付いている。




「もっか!もっか!」




再びそりに乗りたいと強請る桃ちゃん。


信明は雪山にぶつかった衝撃でくらくらしながらも、可愛い桃ちゃんを抱き上げニッコリと笑う。




「よしっ!

次はヨウちゃんも一緒に滑ろう!!」




雪山の上で待つヨウちゃんに手を振り、桃ちゃんを片手で抱きながらそりを引っ張っていく信明。




彼がこの職場にやってきて8ヶ月。


もうすっかり“保育士”の仕事が板に付いたようだ。