まだ薄っすらと水平線がオレンジに染まっている。


しかしもうこの辺りは真っ暗で、視界もかなり悪くなっていた。




―――葵さん・・・、ごめんなさい。




今もまだ遠くで笑みを浮かべている葵さん。


私は彼女に向け、心の中で謝った。




―――貴女の愛する人を奪ってごめんなさい・・・!!




私のせいで彼女は亡くなった。




夜道で襲われるきっかけを作ったのはこの私。


そして、葵さんが愛した信明の気持ちも私に向かっていて・・・。




―――きっと私の事が邪魔だったんでしょ・・・?




憎まれたって仕方ない。


私は葵さんが手にしたかったもの全てを手に入れている。




保育士の仕事、信明という恋人、そしてこれからの明るい未来も・・・。