「あれ・・・?」




視界に映る景色に違和感を覚える。




葵さんのいる防波堤までの距離はまだ十分にあったはずだ。


しかし今の私は、海岸ぎりぎりの場所で信明に体を支えられている。




「ったく・・・!!

もう暗いんだから気を付けてよ!?

危うく海に飛び込むんじゃないかって、本気で焦ったよ・・・。」




あぁ・・・、そうか。


きっと葵さんは信明を試したんだ・・・。




私を自分の元へと誘導し、今度こそ信明が愛する人を護れるかどうかという事を確かめて安心したかった。