今の時期は海岸まで車を乗り入れる事ができない。


私たちは駅前のコンビニの駐車場に車を停め、そこから歩いて海岸へと向かった。




前回このビーチを歩いた時は准一が隣にいて、私は重苦しい思いを抱える彼の隣を必死に追いかけて歩いたはず。


だけど今は信明が隣にいて、私の手を握り同じ速度で隣を歩いてくれている。




「痛っ!!」




パンプスの中にビーチの砂が入ってくる。


貝殻の破片が足の裏に当たり、思わず痛くて声を上げてしまった私。




「大丈夫か!?」




信明は立ち止まり、パンプスの中に入った砂を出す私の体を支えてくれる。




歩きにくい砂浜はそろそろ途切れる。


この先はアスファルトが顔を出す遊泳禁止区域だ。