【完結】ホイクメン!

「ち・・・違うけど・・・っ!!

とにかく離してっ!!!!」




壁に立てられた腕を退けようとしてもびくともしない。


不安の眼差しは悲しみを湛え、強引に私の方へ近付いてくる。




「・・・っ!!」




どうしてこんな時まで・・・?




気まぐれな遊び感覚で交わされるキスは決して甘くなんかない。


だけど悲しみに濡れた今日のキスは、涙を含んでいていつもよりしょっぱかった。




拒めない自分が悔しいけど、他の人を思いながらもキスをする信明が理解できなくて・・・。




「ん・・・っ!!やん・・・っ!!!!」




まるで、この場を立ち去ろうとした私を宥めるかのように。


信明は私の体を壁に押し付けたまま、何度も繰り返し唇を吸った。