【完結】ホイクメン!

「ごめん・・・。

用事あった事すっかり忘れてた!

・・・また後日、話の続き聞かせて?」




きっと信明は気付いた。


私が肩を震わせ、悲しみ、後悔、嫉妬の念を顕わにしていた事を・・・。




―――カッコ悪い・・・。




こんな自分を悟られたくはなかった。


だけど悟られてしまったのであれば、もうこれ以上この醜い姿を見ないで欲しい。




自然と玄関へ足が向く。


急いで靴を履こうとした瞬間、背後から逞しい腕に私の体は抱きしめられた。




「どうしてそんなに急いでんの・・・!?」




慌てた口調で不安を顕わにする信明。


腕には力が入り、彼の心臓はドキドキと忙しく鼓動していた。