【完結】ホイクメン!

「ああ・・・。そうだな。」




大きく煙を吐き、信明はまだ長さのあるタバコを灰皿の底に押し付けた。




火の消えたタバコから漂う苦み。


信明の口から出た肯定の返答を耳にした瞬間、私の心は何かに強く握りつぶされたような感覚に陥った。




「・・・頑張ってね。」




声が震える。


心から彼の幸せを願っているはずなのに、どうしてこんなに悲しいのか・・・?




気持ちが伝わり信明に彼女ができる事が悔しい。


だけど、失恋して落ち込む信明の姿は見たくなくて・・・。




「優香・・・?」




気付けば体が震えていた。


今にも溢れだしそうな涙を堪え、その場にすくっと立ち上がった私。