冷たいアイスコーヒーは甘みを帯び、甘党な彼らしいと改めて感じた。




「やっぱり甘いコーヒーが好きなんだね。」




初めて私の家を訪れた時、信明はコーヒーに大量の砂糖を入れていた。


高校時代に調理部の実習に顔を出した時も、いつも甘いお菓子を強請るかのように同級生の女の子に絡んで・・・。




昔から変わらないもの。


それは自分の好みだったり、優しい眼差しだったり。


一緒に働くようになってわかった。


当時高校生だった信明が“後輩”の私に向けていた眼差しは、今保育園で子どもたちに向けている眼差しと同じ。


自分よりも弱く幼い者を可愛がり、そしてその関係は決して対等にはならない・・・。