インターホンを押すと、信明はすぐに玄関へと出てきてくれた。




昨日の事が気まずい。


そんな気持ちも、今では前向きな気持ちの方が勝りちゃんと笑顔を作る事ができた。




「いらっしゃい。」




信明は私を部屋の中に招き入れ、リビングの中央にあるローテーブルの辺りに座るよう指示してくれる。




決して広くはない、ごく普通の単身向けアパート。


インテリアもさほど凝ってはおらず、男の1人暮らしという事もありあまり生活感が感じられなかった。




私がローテーブルの脇に腰を下ろすと、信明は冷蔵庫から市販のアイスコーヒーを取り出す。


さっき使って間もないであろう漱いだグラスにそれを注ぎ、私を持て成すかのようにグラスをテーブルへと運んできてくれた。