「ねぇっ?どこ行くの!?」




私が行き先を尋ねても、准一はニヤニヤしながら無言で頷くだけ。




車は五岐路へ抜け、南郷通りを横切った先の道道に入る。


そして間もなく、築浅の綺麗目なアパートの脇で車は停車した。




車を停め、助手席越しにアパートを見つめる准一。


彼は私の肩を叩き、まるで発破を掛けるかのように力強い声で私に伝言を伝えてくれる。




「信明さんが待ってる。

優香に言い忘れた事が1つだけあるんだってさ!

いろいろあったけど・・・、お前がまだ彼の事を好きならちゃんと話聞いてやって。」




信明が私に伝え忘れた事・・・?


という事は、この伝言の内容は昨日の話の続きなのだろうか?