食事を終え、准一はドリンクを追加オーダーしてくれた。


私はアイスティー、准一はコーラをオーダーし話題を本題へと戻す。




「姉ちゃんはずっとあの男に片思いをしていたんだ。

だから何度もあいつの家に行き、時々は家に招いたりもしていたみたいなんだけど・・・。」




准一は葵さんが亡くなるまで、一度も信明と顔を合わせた事がなかったようだ。


しかし葬儀に現れた信明を見て、抑え込んでいた憎しみが爆発してしまった。




「我慢できなくて、俺は姉ちゃんの前だっていうのに、通夜の席であいつの胸倉を掴んだ。

姉ちゃんを孕ませて、それでも何食わぬ顔で友達と一緒に参列して・・・。

俺が声を掛けるまで、あいつは俺ら親族に挨拶もしなかったんだぞ!?」




確かに信明の行動は不誠実だったかもしれない。


だけどその言動には、きっと彼なりの葛藤もあって・・・。