准一のお姉ちゃんが同じ高校の先輩だという事は今まで知らなかった。




だけど思い返してみれば、中学校時代、私はあまり准一のお姉さんと会う事はなかったような気がする。


それは、彼女が自宅から遠い梅宮高校に通学し、遅い時間まで部活に明け暮れていたからなのだろう。




「葵が高校を卒業してからも、俺は後輩として彼女と親しくしてきた。

だけど・・・、いつの間にか葵は、俺の事を好きでいてくれたらしいんだ。」




最初はただの“先輩”と“後輩”。


だけど葵さんは、いつの間にか信明の事を好きになっていた。


その思いはとても強くて、彼女は私と同じようにずっと信明の事を見つめていたようだ。