准一と“銭函海岸”に行ってから、ずっとぼんやりと心ここに非ずな状態だった私。


そんな私を気遣い、信明は流れ星が見えるこの湖畔に連れて来てくれた。




「まだ極大じゃないけど、今時期はペルセウズ座流星群が見える時期だ。

星がよく見える場所に来れば、きっといくつか流れ星も見られるんじゃないかと思って。」




短冊や流れ星。


神頼み的に願いを唱えても叶わない場合だってある。


それでも信明の気遣いは嬉しくて、私は思わず顔を綻ばせた。




「“たいせつなひとたちとたのしくすごせますように”なんて願い事、本当に優香らしいよ。

だけどここ最近ずっと暗い顔してたから、もしかしたら友達や同僚たちと何かあったんじゃないかって・・・。」




心配して言葉を掛けながら、彼は自然と私の手に触れた。


大きな掌で私の手を包み、視線は満天の星空へと向けられたままで・・・。