准一は俯き私と視線を合わせようとはしない。




深い溜め息を吐き、彼は再び防波堤の消波ブロックに目をやった。


まるで、そこに亡きお姉ちゃんがいるかのような眼差しで・・・。




「優香・・・。」




再び名前を呼ばれる。


そして彼は、不可解な一言を私に投げ掛けた。




「俺も同じだったんだよ。」




「・・・同じって、何が?」




意味がわからない。




准一と私が同じ事なんて、同じ中学校の出身である事以外何もなかったはず。


私には彼の言葉の真意が理解できなかった。