【完結】ホイクメン!

「姉ちゃん・・・。」




私にはわからない不思議な力。


きっと姉弟だから通じる何かがあるのだろう。




准一は浅瀬の先にある防波堤を見つめ、深い溜め息を吐き頭を振った。




「あのさ・・・、優香?」




「ん・・・?」




唐突に名前を呼ばれ、すぐ隣に立つ准一の顔を見上げる。




私よりも背の高い准一。


中学生の頃はさほど身長が変わらなかったのに、高校へ入学してからその差はどんどん開いていった。




准一の視線は遠くの消波ブロックを見つめたまま。


そして彼の口からは、お姉ちゃんの自殺の理由を仄めかす一言が告げられる。