「ねぇ、准一・・・!!

とりあえず落ち着こうよ!

こんな所で話すのも気まずいでしょ・・・?」




スーパーの売り場の真ん中で、声を荒げ興奮状態になっている准一を宥める私。




彼の気持ちはよくわかる。


だけどここで怒鳴り散らしたところで、彼のお姉さんはもう戻っては来ないのだ。




他人に対しても優しく情が深い准一。


きっとその思いは、身内であるなら尚更だ。




彼の優しさに幾度となく励まされ、深い情愛によって何度も助けられてきた。




だけど今だけは、素直に准一の気持ちに寄り沿ってあげる事ができない。


信明がどんな過去を抱えていたとしても、私は彼の事が好きだから・・・。