「姉ちゃんが死んでから、あいつは一度たりともうちに線香を上げに来た事がないんだ。

って事は、もしかしたら姉ちゃんとは遊びでしか付き合っていなかったんじゃないかって・・・。」




「そっ・・・そんな事ないよ!!」




信明の事を悪く言う准一。


信明を庇おうと必死になる私に、准一の鋭い視線が突き刺さる。




「優香はどうしてあいつの肩を持つんだ!?

お前だって、姉ちゃんがどうなったか知ってるだろ!?」




「わかるけど・・・、でも・・・。」




一体どちらの肩を持てばいいのか。




准一の癒えぬ悲しみも理解できる。


だけど信明が悪い人じゃないと思いたい私の気持ちが、准一の言葉を否定的に受け止めてしまう。