そんな事を考えながら事務作業を進めていた私。




園長室の方から足音が聞こえてくる。


そしてその足音は、事務室の出入口の傍に座っていた私の背後でぴたりと止まった。




「お仕事中失礼します。」




背後で発せられた声に驚き、思わず咄嗟に後ろを振り返る。




彼は先程友枝が対応した電話関係の業者だろう。


水色の作業着に、腰元にはニッパー等の工具。


深々と礼儀正しく頭を下げていた彼は、ゆっくりとその顔を私たちの方に向けた。




「あ・・・!!」




真っ先に目が合った。


しかもこの顔を私はよく知っている。