「はあ〜っもう…じれったい。じれったすぎる。もはやムカつく」

「確かに。逆にそこまでしといて何も言わないとか、次からどんな顔するつもりなんすかね」

「もう矢野!あんたから言ってしまえ!好きです付き合ってください、はい!」

「なんですかその私の後に続いて発音してねみたいなのは!」

「好きです付き合ってください」

「あんたじゃないよ岩佐!このリア充野郎!」


…ちょっと黙ってください!

私だって色々考えてはいるのだ。




あんなことされて、言われて、早坂さんのことを更に意識してしまっている。

はるかさんという壁も崩壊された。

これはもう、今頑張らないでいつ頑張るんだとも思う。



だけど人間、どこまでも欲張りになれるものだ。

私から気持ちを伝えるのは、もう少し確信に変わってからがいい。

そしてその確信に変わるような出来事を、早坂さんに起こして欲しい。



そしたら迷わず真っ直ぐ、突っ走れるのになあ…。



あの夜、静かに私を解放した早坂さんは、”また近いうちに絶対連絡する”と言い残して行ってしまった。