「うん。…信じます。
話してくれて、ありがとうございます」
「そっか…。
あーーー良かったあああ」
途端に嬉しそうな顔をする。
話の途中に一つ、気になることがあった。
「早坂さんは…人を好きになれないんですか?」
はるかさんのことは私の勘違いだと知って、自分の気持ちの置き場所に戸惑う。
でも早坂さんが人を好きになれないなら…また違う壁が、出来てしまう。
すると早坂さんはちょっとだけ笑った。
「恋愛は四季に似ている…って話、聞いたことある?」
ん?何故話がそんな方向にいくんだろう。
戸惑いながらも首を横に振る。
「俺も人から言われた事なんだけどさ。よく例えられるらしいよ。
気持ちに気付く恋の始まりが春。
想いが通じ合って盛り上がるのが夏。
付き合いが安定して落ち着くのが秋。
そして最後には…気持ちが冷め切って冬になるんだ、って」
びっくりした。そして悲しくなった。
そんな考え方…さみしすぎる。
「お前は、冬ばっかりでさみしい奴だってよく言われたな」
そういう早坂さんの顔は笑っているけど、どこか寂しそうに見えた。
そしてそれをなんとかしたいと思う自分がいる。

