「一日でもはやく元通りになるようにする。全力で。
だから………
みんな、待っててくれるかな。またお店に、戻って来てくれるかな」
「あっ……
たりまえじゃないですか!何いってんですか!」
岩佐くんだ。
「俺は絶対、他の店になんて行きません!この店で、皆に見守られながらスタイリストになってカリスマになるんすよ!」
「そうですよ店長!」
私もやっと声を出した。
「私も、休業中もお店のために動きます!一緒に働かせてください!」
「店長」
橘さん。
「私は、このお店を立ち上げた時から店長と一緒にいます。そしてこの2人の面倒を見てきました。こんなことで諦めるような人間に育てたつもりはありません。
店長が諦めない限り、みんな嫌でも着いていきますので覚悟しておいてください」
「みんな……
ありがとう」
店長が笑顔でそう言った。
その目からは、涙がこぼれていた。

