「あとは色んな道具ね。使えるものもありそうだけど壊れてるのが多かった。これも全部取り寄せて揃うまでに、時間がいる」
店長がテーブルに肘をついて頭を抱えた。
「三ヶ月とまではいかなくても…一ヶ月やそこらでは厳しいかなってところね」
誰も何も言えなかった。
もし、三ヶ月かかるなら…今後のお店に大きく影響する。
営業再開出来たとしても、最悪の場合閉店に追い込まれる。
それがみんな想像出来たからだ。
「…私はね」
店長が顔を上げた。
「出来るだけ早く再開させたい。それでお客様に帰って来てもらいたい。
…でもそれ以上に、スタッフみんなのことも大事なの。また、今のメンバーでお店を再開させたい。
この4人だったから、あのお店があると思ってる」
限界だった。
朝、お店の状態を見てからずっと張り詰めていたものが緩み出す。
気付けば泣いていた。
私だけじゃない、橘さんもだ。
岩佐くんでさえ、目が潤んでるように見える。

