決定的な場面を見てしまった。
あれは間違いなく早坂さんだった。
そして、その横で彼を愛しそうな顔で見ていたのが、この前彼にあんな表情をさせたはるかさん。
…今からデートにでも行くのだろう。
彼女じゃないとしたら、何なの?
いないって言ったのは嘘だったの?
きっと、彼の大切な人には変わりないんだろう。
私のこと、どんな気持ちで見てたの?
どうして食事に行ってくれたの?
あざ笑ってたの?
面白がってたの?
………全部全部、嘘だったの?
私に見せてくれた笑顔も、楽しそうにしてくれてたのも、私のために髪を切りにきてくれたのも、
私の反応を楽しんでたの?
…もう、いい。
もうやめる。
久しぶりの恋に浮かれてた。
ただそれだけ。
頑張ろうと思っていた気持ちは、すっかり心の奥底に閉じこもってしまった。

