最初にドリンクを頼む。
早坂さんはビール、私はいつも通りのサングリア。
「じゃあとりあえず…」
カチン、と乾杯する。
グラスに口を付けながらちらっと早坂さんを見る。
ビールを勢いよく飲んで喉仏が上下する。
そんなところまでかっこよく見えるなんて…私大丈夫か?
それから料理も何品か頼み、やっと落ち着いて会話が出来る状況になった。
「さっき2つ年下って言ってたけど、てことは今24?」
「そうです。
…見えないですよね。よく言われるんです。こんな職業だからどうしても周りの同い年の子達より若い格好してるし、行動とかもどうも子供っぽいみたいで」
「そんなことない。さっきも言ったけど予想通りだったよ。仕事してるとこ見てるからかな」
「ほんとですか?そう言ってもらえると嬉しいです。友達はみんな就職してから黒髪にスーツとかで…たまに仕事帰りに集まったりすると私だけ大学生みたいなんです」
あは、と笑いながら話す。
あなたと釣り合うような大人の女性になりたいけど、なれないんです。
とは言えない。

