恋愛奮闘記


家に帰り、携帯と睨めっこする。



早坂さんのアドレスを開き、メールを打つ。



「こんばんは、矢野司です。この間は送って頂いてありがとうございました。偶然だらけでびっくりしましたね。
うーん…なんかなあ。」



考えた文書を声に出しながら打ち込んでいく。
どうもお客様へのDMみたいになってしまう。



メール一通送るのにこんなに悩むのは人生初だ。



打っては消し、打っては消してやっとメールを送った。



”遅くにすいません。矢野です。
この間は家まで送って頂いてありがとうございました。
今度、よかったらお仕事おわりにご飯でも行きませんか?
早坂さんとお話するの、すごい楽しかったので、また是非色んな話を出来ればと思ってメールさせて頂きました。
返事はいつでも大丈夫です!
では、おやすみなさい。”






押しちゃった!
送信ボタン押しちゃったよ!


やたら言い訳がましい文章になってしまったけど、これが今の精一杯だった。



どうか、返事が来ますように!



その日はそう祈りながら眠りについた。