「はぁ…お前な。それが嫌なら、お前のことを好きな奴を頑張って好きになるしかねーぞ」
おぉ。ごもっともです。
「それが出来なかったら?」
「いつまでたっても幸せになんてなれねぇな。
一生恋愛に臆病で怖がって、逃げ回るだけの情けない人間だろーよ」
臆病で、逃げ回る………
「だいたいな、世の中の幸せなカップルどもだって、最初っからお互いがお互いを好きで付き合った奴なんて一握りなんだよ。
どっちかの努力があったからこそ好きになって、上手くいったんじゃねーか。そういう奴らをただ羨ましがってるだけじゃお前は幸せになんてなれねーよ。」
頭をおもいっきり殴られた気分になった。
「なんの行動もせずに好きになってくれねーかなって思ってるだけで成功すると思うか?
そんなんじゃ叶うもんも叶うはずねぇだろ」
目がうるんできた。
次、まばたきしたら崩壊してしまいそうだ。
「司」
シュウさんの声が優しくなった。
「なんでもいい。なんか行動してみろ。悩むのはそれからだ。」
涙が頬を伝って、顎先からスカートの上に落ちた。

