「あ、ここです私のマンション。結局送ってもらっちゃってすいません」
「え、このマンション?俺んち、隣のマンションなんですけど……」
………
二人で見つめあって固まる。
同時に笑い出した。
「あははっ!すごい、ありえないんですけど!こんな偶然あります!?」
「いや、まじですごい、ほんとに!」
「また近いうちにどこかでお会いするかもしれないですね!」
「その時はまた声かけますよ?」
「楽しみにしてます!
では、送っていただいてありがとうございました。おやすみなさい」
「またお店にも行きますんで!おやすみなさい」
真っ赤に染まってるであろう顔を見られないように早足で歩き出す。
やばいやばい、やばいよ!
嬉しすぎて、死んじゃう!
「待って!」
エントランスに入る寸前、呼び止められて立ち止まる。
振り返ると、早坂さんが真剣な顔でこっちを見ている。
「あの、良かったら、連絡先交換しませんか?」

