「俺ですか?いやいや、俺も残念なことに相手がいません。今日仕事が休みで昼まで寝てたから、全然寝れそうになくて酒買いに来ただけです。明日仕事なんで早く寝ないと明日つらいんですけどねー」
「そうなんですかー。お互いさみしい夜ですねー」
って!
全然残念じゃない!!むしろ万歳なんですけど!
そっか、彼女いないんだ…。
「もう帰るとこですか?方向一緒なら良かったら一緒に帰りませんか?
…ていうか、こんな時間だし送っていきたいんですけど、良いですか?」
えええー!
し、静まれ心臓。
こんな機会もうないかもしれない。
「はい、もう帰ります。送っていただくなんて申し訳ないんでいいですよ。
…でも、もし、方向が一緒なら、途中まで一緒に帰っても良いですか?」
私なりの精一杯の頑張りで、おずおずと聞いてみる。
「〜〜〜っ!」
ん?早坂さん、びっくりした顔してるけど。
「あ、あの…?」
私よりかなり背が高いので、必然的に見上げる感じになってしまう。
返事がないことを不思議に思っていると、早坂さんが照れたように笑った。
「はい、一緒に帰りましょう。」
だからさ、ずるいんだってその笑顔。

