「だから、早く家で髪切ってくれるようになればいいな」



私が嬉しいと思った事は、良さんも嬉しいと思ってくれる。

お互いに朝から夜まで働いてるし、休みも合わない私達。一日中一緒に居られる日なんて一年間でも片手で数えられるほどしか無い。

良さんと付き合うようになってから、一日一日が本当にめまぐるしい。それがもし一緒に住むようになれば、今よりも更に毎日が早く過ぎていくだろう。だからこそ毎日が貴重で、大切で、幸せに溢れるんだろう。



出会った時は付き合えるなんて思っていなかった。それが今は一緒にいるのが当たり前になって…一緒に住むようになれば、それがまた当たり前になっていくんだろう。



いつも頭の中にお互いの存在があって、まるで酸素のように必要不可欠な存在。

どんどん距離が近くなるのはこんなにも嬉しいことだ。



「早く一緒に住もうな」

「…はいっ」



泣きそうな私の頬をつねって笑う。
その手が優しいことを知ってから、もう随分経ったんだね。