「嬉しい。すごく。良さん、いつも余裕な感じだし…。私のことでそんな風になってくれるのって幸せ」
「余裕?誰が」
「だって私は良さんに会う度にドキドキして、ちょっとしたことで嬉しくなって、私の方が絶対好きの気持ちが大きいから!」
「ちょっと待って」
ふいに良さんが私の手を取った。
そしてそのまま、自分の胸に押し当てる。
「ほら、俺の心臓すっごいバクバクいってんの。わかる?」
手のひらから良さんの鼓動が伝わる。
それは私のと同じぐらい速かった。
「俺、司と会う時はいつもこうだよ。…余裕なんか一切ない。常にいっぱいいっぱい。司以外の相手にはこうはならない」
私と一緒?
じゃあ、同じようにドキドキしてたの?今まで会った時、いつだって。
目を閉じて良さんの心臓の音を感じる。
温かくて、落ち着く音。
「俺、司が思ってる以上に司のこと好きだよ。いつも司のこと考えてる。自分の方が好きだとか言うなよ」

