「ちょっと大きな声では言えないんですけど…謝罪なんです。本当に申し訳ないことをした、って。人生を狂わすような真似して後悔してるって」
聞いて思った。
これはもしかしたらはるかさんからの謝罪なんじゃないだろうか。
それか二人からなのかもしれない。
素直に嬉しかった。
簡単に忘れられるようなことでは無いけど、少しスッキリした。
「え…」
岡田さんが驚いた顔で見ていた。
「え?」
「あ、いえ、すみません。ただ…今の矢野さんみたいな優しい表情、なかなか出来るもんじゃないと思って…」
「…私、そんな顔してました?」
「はい。すごく素敵でした」
そんな事をさらっと言ってしまえる岡田さんは、きっとモテるんだろうな。
私のまわりの男の人は、どうしてこうもいい男揃いなんだろう。
「じゃあ、それだけなんで。お疲れ様でした!」
そそくさと帰っていく岡田さんに礼をして、私も外に出た。
「お疲れ」
するとそこには良さんが立っていた。

