「ダーメ」

「うわっ」

急に肩が重くなったと思ったら、橘さんが後ろから肘を乗せてきた。

「橘さん、こんにちは!」

「こんにちは〜岡田くん。矢野はね、つい最近出来た彼氏とラブラブなの!もはや割り込むスキは無いって感じだからー」

「ちょっ…橘さん!」

「ぇえ、そうなんですか。それは幸せそうですね」

「そうよ、その彼氏がまた男前で優しくて完璧なんだから」

「はあー、僕もそんな男になりたいです」



…これは一体何の羞恥プレイなのでしょうか。
初対面の人にこんなにズケズケと自分の彼氏の事を話されるなんて。



「というわけで、矢野はダメよ!」

「わかりました!肝に命じておきます」

「これでスタッフ皆と顔合わせ出来た?」

「はい!では今後ともよろしくお願いしますね。」



岡田くんが帰った後も橘さんの肘はどかない。

「ね?かっこよかったでしょ?」

「はあ…まあ…そうですね。世間一般的に見たら男前だと思いますよ」