矢野さんからの連絡が途絶えて一週間。
毎日メールしてみるもののやはり返事はない。体調が悪いのかとか、事故にでもあったのかと心配し始めていた。
朝家を出るとき、夜帰ってきた時、隣のマンションを見上げて姿を探すけど全く会うこともない。
避けられているのか?
仕事にも身が入らず、家まで押しかけるかとか血迷ったことを考えていた時だった。
たまたま用事があって矢野さんの店の前を通ったら…
「え?営業してる…」
いつの間にか、休業していた店が開いていた。
そこには笑顔で接客する矢野さんの姿があり、俺が心配していたような事にはなってなかったのだと安堵した。
だけど。
”じゃあなんで連絡をくれない?”
こんどはそればかりが頭をぐるぐるして、疑問ばかりが浮かぶ。
結局、好きなのは俺だけだったのか。
矢野さんにとって俺は…何だったのか。
こんな気持ちは初めてだ。
人を好きになることは、幸せなことばかりじゃない…。
「これが恋愛か…」
辛いことも含めてすべて俺の気持ちは彼女に向かっている。

