恋愛奮闘記



一瞬、頭が回らなくてポカンとする。

次の瞬間、脳が一気に全てを理解して目を見開いた。

思わず隣を見ると、岩佐くんも同じような表情をしていた。



「そ、それって…」

「うん。来週の火曜日から、またここで皆一緒に働けるってこと!」

「ほんとに……?」

「そうよー!私も朝店長から聞いて、すっ飛んで来たんだからー!」

「………まじで?俺またここで働けんの?」

「皆でまた働くんだよ!岩佐あんたビックリしすぎて敬語忘れてるけど大丈夫?」



「……や、やったーーーー!!」



嬉しい、嬉しい!

もしかしたらもうダメかもしれないと、どこかで思ってたのかもしれない。言葉にならない嬉しさがじわじわとこみ上げてくる。



「喜んでる暇はないよ!この一週間は忙しいからね!お客様に営業再開のDM送って、お店の掃除しなおして…」

「カットの練習も気合入れ直さないとですね!」

「やばい、気合出てきたー!」



皆の顔がすごくキラキラしてる。
やっと、だ。

今までの不安なんかどこかへ吹き飛んで、全員が前しか向いていない。