「………え?」
予想もしていなかった一言に身体が強張った。
なんでこの人がそんなことを言うの…?
「あなたが良と親しくしてると知ってから、私、あなたのこと調べたの。もちろん職業も勤務先もね。そしたらたまたま、あなたのお店が台風で大変なことになったわ」
調べた…?
どこまで?どうやって?
「そしてたまたま、そのお店があるビルが私のお父様の管理下だった」
血の気が引いた。
「なんか、大変そうね。いつまでたっても元通りにならないものね」
まさか、そんな。
「これも全部、あなたが良と恋愛ごっこしてるからかもねー?つまり全部、あなたのせいなんじゃない?」
声が出ない。今、自分がどんな顔をしてるかもわからない。
「お店が営業出来る時は、あなたが良から離れる時なのかしらね。早くお店が復活することを心から願ってるわ」
そう言い残してはるかさんは立ち去った。
私は問い詰めることも追いかけることも出来ず、ただ目の前の冷めた紅茶を見つめていた。

