向こう側

それから遠藤さんがぽつりぽつりと話し出した。

階段で助けてから、

後輩としか思ってなかったあたしが、急に気になり出したこと。

おっちょこちょいなのに、いろいろ頑張ろうとするところとか。

そして、助けて以来

ちょこちょこあたしの視線を感じていたらしい。

それで二人しかいない昨日がチャンスだと思い、飲みにいったとか。

「まぁ、ここまで進むとは思ってなかったけどな。」

よいしょとあたしを抱っこして寝室に向かう。