向こう側

「ここでいい?」

と、歩くこと10分くらい。

たわいもない話であっという間についてしまった。

「大丈夫です」

「よし、はいるぞー」

ちょっとした小料理屋みたいな感じだけど、気取ってない雰囲気で入りやすい。

こんなとこあったんだ。

「とりあえず川合は何飲む?」

「あ、とりあえず生で」

「んじゃ俺も。つまみは適当でいい?」

「はい。お願いします」

手際よく頼んでくれる姿がかっこいい…
じゃなくて。

ここは後輩のあたしがやらなきゃだったのに。

「すいません。いろいろしてもらって」

「ん?いいよ。ここ会社じゃないし気にすんなって。」