向こう側

「え?もう少しで終わるんでしょ?」

「まぁ…はい。そうですけど」

見てる答えになってない。

「待ってるんだけど」

…ん?

「…あたしですか?」

「他に誰もいないじゃん」

いや、そうだけど。

ドキドキしてるんだって。

これ以上ドキドキさせないでよ。

「せっかくの金曜に残業してんだ。

飯でも食って帰ろうよ」

!お、お誘い!

「はい!」

ウキウキする気持ちを抑えて仕事をあわただしく終わらせた。