向こう側

やるぞーと、もう一伸びして取りかかったら。

「ん?まだいたのか?」

…この声は。

「…遠藤さん。お疲れ様です」

逆にあたしもあなたがいたことにびっくりです。

「書類がなかなか終わらなくて」

といって、書類の束を掲げた。

「そうかそうか。お疲れ様」

にこっと笑う遠藤さんの顔に見とれてしまいそうになる自分に苦笑…。

175くらいあるであろう身長に、

切れ長の一重。

整ったお顔してると思うんです。

それが、この間助けてもらった時にはアップで。

どきどきを抑えて平然を装うので精一杯だった。

もちろんいまも。