バレンタイン当日…夕方の帰り道

俺は満足していた。
「いやー良いことしたあとってのは気持ちがいいもんだ。うんうん。」
完全に自己満足ではあるが、気持ちを伝えようとした女生徒の手助けをしたのだ。今までの俺ならありえないな。
と自分で自分を褒めちぎっていたところに、後ろから俺を呼ぶ声がして振り返るとスギテルが走ってきた。
「スギテル!お前、何してんだよ!あの子は!?」
「いや、あのな、とりあえず教室に戻って来い!早くっ!」
ともかく、スギテルは焦ってるようだった。何が起きたんだ?それに、
「用ならLI◯Eでも、電話でもすりゃあ良かったのに」
「それは言わないで……
走り出したあとに気付いたの…」

そして、教室では女生徒が待っていた。
扉の所で、スギテルが俺の背中を押し、
「頑張れよ。」
と一言。
何がなんだかわからないまま、彼女の元へ行くと彼女は俺の方を見て、後ろに持っていた包みを差し出して、





「好きです。付き合ってください。」




と彼女は言った。