バレンタイン当日…の昼休み

俺は戦慄していた。
「何故だ。何故、誰もチョコレート渡しに来ないぃぃぃぃい!!!!」
俺の叫びは屋上よりも上の空に消えていった。
空を見上げ、ふぅっとため息をついたスギテルが言う。
「そもそも、この作戦自体無理があったんじゃないの?俺が無理だから、お前ってやっぱおかしくね?(笑)」
「おい、テメェ今何つった?」
「いや、だから俺がダメだから、スズキに渡すってのはおかしいじゃん?」
「ほほーぅ。
ならば、そのテメェの横にある箱の塊はなんだ…?ん?」
テヘヘと頭をかきながら、スギテルは答えた。
「いや、やっぱ俺のためって思うと無碍にはできなく…」
「そのせいだろぉぉぉぉお!!
誰に聞いてもこれはスギテル君のせいやないですかぁぁぁぁあ!!」
「い、いやだから、関西弁出てるって…。その件に関してはごめん!
でも!これでお前にくれる人は俺がダメだったからみたいな尻軽じゃない、正真正銘の本命じゃん!」
「………なるほどぅ。
確かにそうだな…うん、いやその通りだ!ビ◯チには俺は興味がないからな!」

「ふぅ….馬鹿でよかった…」