闇夜のなかの 光の球が

隣り合わせに、お互いを 連呼する。

何かの、合図のよう に



一斉に 光を 放ち、輝き



そうして、ひとつの
母体【にんげん】の中へと

宿っていった…。


この子 達の 名前は

麻緒 と 始音。


珍しい、一卵性の男女の双生児 。




回想 −−−−−−−−−−−−−−−−



どこからかの、罵声。


「だめ だ!

ふたりを 認めるわけには

いかん!!!」




……………。




雷が 落ちたかのような
男性の怒鳴り声が

部屋中に 響く。



「こちらこそ

願い下げ だわ!!!」


その反応に女性は
言い返す。



片側だけの交際の許可が
降りないだけでなく


互いの両親 とも
家が隣同士なのに 仲が悪く


それなのに、むかしからの
幼馴染みでもある、ありさ と、みずき は


引き寄せあうように
恋い焦がれていってしまう…。



どうせ、結ばれないなら

ふたりで 死のう……。



固く 、決断した、ふたりは

みずき が 服用している
精神安定剤を利用し


その、副作用からの
眠気で、海に入水したのだった。



それは、まさに、ロミオと
ジュリエットのよう な

悲劇であった……。