それからというもの、あたしがあたしじゃなくなった。



……って、なんか変な表現だけど、ホントのこと。



自分でずっと気づいてなかっただけで、まさか好きだなんて……。



まだ、信じられない。






でも……。



「わっ……!やっぱ上手いねー福山くん」



「……うん」



キレイな弧を描いて高跳びをしているヤツを見ると、ものすごく速く走るヤツを見ると、……あまりに、輝いて見えて。



あぁ、こういう気持ちが、好きってことなんだって……毎回気づかされる。






「真姫ー、幅跳びの記録測ってほしいってー」



「あー、うん。わかったー!」



蘭子に呼ばれて今までやっていた作業を中断した。