これでも好きなの

「……福山蒼生、100メートル走、……走り高跳び、400メートルリレー……だって!」




にこっと笑いながら読みあげる蘭子。




自由席だから、隣に座っている。





実は去年までは出席順番で座ることになっていたのだけれど、今年から変わったみたい。




仲のいい人たちと応援したいっていう生徒の声が、先生方に響いたのかな。




こうやって蘭子と隣で応援できるなんて、あたしも嬉しい。






「やっぱり100はでるんだー」




予想通り。




「ねー!去年表彰台上がってなかった?」




「うん。あいつの速さは悔しいけど認めるよ」





なんて私が言うと、蘭子は笑った。




「素直に認めればいいのにっ」




「やだねっ」




「まったく、真姫ったら」