サヨナラからはじめよう

「今何時・・・?」

「今は月曜の8時です」

8時か・・・・って、

「げ、月曜っ??!!」

出掛けたのは土曜日だ。それなのに今は月曜?

「帰ってきてから涼子さんはずっと寝込んでたんですよ。だから今日は仕事はお休みしてください」

「しごと・・・はっ!仕事っ!!!」

8時って!あと30分で始まっちゃう。もう間に合わないじゃない!
慌てて身支度をしようと動いた瞬間、グラリと揺れた体が倒れそうになる。

「涼子さんっ!」

その体を司が受け止めると、そのまま抱き込むようにして顔を覗き込んできた。

この密着度はやばすぎる。
抵抗したいけど体に力が入らない。

「今日は仕事は絶対に駄目です。涼子さんがなんと言おうとも休んでもらいます」

「で、でも・・・・」

「どうしてもと言うならこの腕を剥がしてください。剥がせない限りは行かせません」

そ、そんなの無理に決まってるじゃん!
あんたが実は脱いだら筋肉凄くて力があるの知ってるんだから。
・・・・って脱いだらとか関係ないから!
熱のせいか思考回路もメチャクチャだ。