サヨナラからはじめよう




~~♪~~♪~~



「・・・・ん・・・・携帯・・?」


未だ覚醒しない体を何とか動かして音のする方へと手を伸ばす。
伸ばした先に何かが触れた。
掴もうと手を動かすがなかなかうまくいかない。

「ちょ、ちょっと・・・・!」

あれ、どうして携帯が喋るんだろう?
着ボイスなんて使ってないのに・・・

少しだけ働き始めた頭を動かしてゆっくり目を開いた。

「・・・あ、おはようございます」

「・・・・・・・・・・っ!!?」

目の前に見える映像が全く理解できず、体が重いのも忘れて思い切り後ずさった。
次の瞬間

「きゃあっ!!!」

「涼子さんっ!わっ!」


ドサドサッ


ベッドの淵から手を踏み外してそのまま落ちてしまった。

「痛・・・」


・・・くない?

「涼子さん、大丈夫ですか?」

体が密着した場所から男の声が響いた。